野鳥のさえずり
2021.07.20 UP
Blueberry HILLS あつぎのまわりには、たくさんの野鳥たちが生息しています。耳を澄まして、野鳥たちのさえずりを聴いてみてください。
野鳥の見分け方
聞き分けるコツは、「慣れる、比べる、絞り込む」です。まずは知っている鳥の特徴をつかんでください。その鳥と比べて特徴の違いを見つけてみましょう。
●声の質の比較
下の表では「細い声か、笛に近い声か、甲高い声か、濁った声か、低い声か」などを目安として作成されています。
●鳴き方の比較
単純な声では「区切るか、伸ばすか、連続音か?」、リズムやメロディがある鳴き方では「弾む感じか、伸びやかか?」「単純な短い節の繰り返しか、複雑な節か?」なども聞き分けの目安になります。
●地鳴きか、さえずりか?
主に春夏の繁殖期に、雄が「雌を呼ぶ」「なわばりを宣言する」などの意味で鳴くのを「さえずり」と呼びます。さえずり以外の雄でも雌でも、季節を問わず聞かれる声をまとめて「地鳴き」と呼びます。
ウグイスが「ホーホケキョ」と鳴くのはさえずりです。地鳴きでは「ジャッ、ジャッ」と一音ずつ区切った音で鳴いています。
鳴き声の特徴表
「声の質」「鳴き方」の特徴を目安に、鳥の種名をあたってみましょう。
声の質 | 鳴き方 | 種名 | 季節や環境の目安 |
【細い声】 | 2~3音を繰り返す | シジュウカラ(さえずり) | 1月~夏 |
チィ、チュィーなど伸ばす | メジロ | 一年中 | |
1音ずつ短く区切る | アオジ | 秋冬(北海道では夏)。低い藪 | |
ホオジロよりゆっくりで約3秒 | アオジ(さえずり) | 春夏は山地 | |
2~4音の連続音 | ホオジロ | 農地、河原、林の縁 | |
ホオジロより強い連続音 | ハクセキレイ | 河原や草木が少ない場所 | |
複雑な早口で2秒弱 | ホオジロ(さえずり) | 2月~夏。梢など目立つ場所 | |
キリリリと連続音 | カワラヒワ | 河原、草地など森の外側 | |
チチン、チチンと連続音 | キセキレイ | セキレイ科では渓流上流に多い | |
か細い声で伸ばす | カワセミ | 渓流下流や湖沼にも | |
【笛に近い声】 | ホーホケキョ | ウグイス(さえずり) | 2月~夏。4月以降は山 |
ピーヨと伸ばす | ヒヨドリ | 一年中。都市や山 | |
一音ずつ区切る | ジョウビタキ | 秋冬 | |
【甲高い声】 | キィーヨと伸ばす | ヒヨドリ(強く鳴いた時) | 秋冬に強く鳴くことが多い |
チョットコイを繰り返す | コジュケイ(さえずり) | 春夏。林の地上で | |
連続音や濁った声も | モズ | 秋。梢など目立つ場所 | |
ケキョケキョケキョ・・・ | ウグイス(さえずり) | 低い藪の中 | |
ケッ、キャラッなど | ヤマセミ | カワセミより上流 | |
【濁った声】 | ビーンと伸ばす | カワラヒワ(さえずり) | 春夏。街路樹や電線 |
ゲーィキュキュ・・・ | オナガ | 関東を中心に本州中北部 | |
一音ずつ区切る | ウグイス | 秋冬。低い藪の中 | |
ジュクジュクジュクと連続音 | シジュウカラ | 春夏は巣の近くで聞かれる | |
ジャーと伸ばす | ムクドリ | 春夏は巣の近くで聞かれる | |
チュビッ、ジュルル | イワツバメ | 上空 | |
高い声でジッ、ジジッ | セグロセキレイ | 石の河原 | |
【低い声】 | デデーポポーを繰り返す | キジバト(さえずり) | 一年中。都市や山 |
【その他の声質】 | カー、アーなど | ハシブトガラス | 都市、山や林 |
クックーなど2、3音続ける | ツグミ | 秋冬 | |
リャー、キュルキュルなど | ムクドリ | 開けた環境 | |
尺八に似た声でゆっくり | アオバト(さえずり) | よく茂った林 | |
【複雑に鳴く声】 | 早口で抑揚が少ない | メジロ(さえずり) | 3月~夏。常緑樹の高い茂みの中 |
スズメ
スズメ科
チュン、ピ、ジなど様々な声を出す。春に繰り返すように鳴くのがさえずりと思われる。警戒中にジジジと鳴いたり、交尾の時にはヒヨヒヨヒヨと優しい声も出す。幼鳥はシリッシリッとかすれ声。
[トップにもどる]
シジュウカラ
シジュウカラ科
さまざまな声を出すが、弾むように聞こえることが多い。人や獣に警戒する時は濁った声、タカやモズに対してはチッピーチッなど鋭い声も出す。幼鳥はシシシ、シーシーとかすれ声。さえずりの聞きなしとして2音の場合「ピース、ピース」「一杯、一杯」。
[トップにもどる]
カワラヒワ
アトリ科
飛び立つ時や飛翔中によく鳴く。さえずりは高いところにとまってビーンと鳴く他、地鳴きを組み合わせてキリリコロロ、ビーンなどともなく。繁殖期にはチューイとも鳴き、幼鳥はピュンピュンピュンと鳴く。
[トップにもどる]
メジロ
メジロ科
やや伸ばす声で、シジュウカラ科のチーより甘い感じ。警戒している時などにキュリキュリと続けることもある(カワラヒワに似るが、甘い感じがする)。身近でも聞かれるさえずりの中では長く続けるが、ツバメと違って姿は見えにくい。聞きなしは「長兵衛忠兵衛、長忠兵衛」「千代田の城は千代八千代」「チルチルミチル青い鳥」。
[トップにもどる]
ウグイス
ウグイス科
本州以南の低地で秋冬、山地や北海道で春夏。さえずりは2月頃から始まるが、「谷渡り」と呼ばれる甲高い声で続ける鳴き方は、繁殖地で聞かれる。
[トップにもどる]
アオジ
ホオジロ科
本州以南の低地で秋冬、山地や北海道で春夏。他のホオジロ科の鳥と比べると強く鋭い感じがする声。さえずりは山地や北海道で聞かれるが、春先、移動前に低地でさえずることもある。
[トップにもどる]
ホオジロ
ホオジロ科
チチッなど2~4音続ける(他のホオジロ科の鳥の地鳴きは、チッ、チッと1音ずつ区切ることが多い)。1音のこともあるがアオジより鋭さがない、軽い感じの声。さえずりは目立つ場所で、上を向いて鳴いていると独身のオスであることが多い。
[トップにもどる]
モズ
モズ科
秋に雌雄とも目立つところにとまってジョン、キチキチ、キイキーイなどとけたたましく鳴く。ギチギチなどと濁った声も出し、春には他の鳥の声を真似ることもある。
[トップにもどる]
ジョウビタキ
ヒタキ科
ピッ、ピッの合間にカッカッと詰まった声も出すが、遠いと聞こえない。春夏は高山、秋冬は低地にも来る。開けた環境を好む。
[トップにもどる]
ハクセキレイ
セキレイ科
河原や農地、公園などの開けた地上にいて、スズメより強い連続音で飛びながら鳴く。さえずりは1ヶ所に止まって、伸ばす声も交える。セグロセキレイは石の河原に多く、声は濁る。
[トップにもどる]
コゲラ
キツツキ目キツツキ科
戸がきしむような声で、時にキッキッキッと鋭く高い声を続ける。ドラミングはキツツキ科の中で最も小さく、短い。
[トップにもどる]
ムクドリ
ムクドリ科
いろいろな声を出すがさえずりは明確でない。さえない声が多く、濁って聞こえることもある。群れると騒がしい。巣に近づいた人などに警戒する時にはジャーッ、タカやカラスのように飛んでいる対象に対してツィッ、ツィッと鋭く鳴く。
[トップにもどる]
ヒヨドリ
ヒヨドリ科
口笛よりやや強い感じの声で伸ばして鳴くが、弱くなくとヒヨ、強く鳴くと甲高くキーヨ、イーヨなどと聞こえる。ピヨロイロピなどと複雑に鳴くこともあるが、さえずりは明確でない。
[トップにもどる]
ツグミ
ヒタキ科
ヒヨドリより乾いた感じの声で、飛翔中に2、3音続けて鳴くことが多い。冬鳥は普通3~4月に北に去るが、5月まで残るツグミもいる。
[トップにもどる]
オナガ
カラス科
さえずりが明確でないのはカラス科に共通しているが、春にはキュリリリリと甘い声も出す。
[トップにもどる]
キジバト
ハト目ハト科
あまり口を開けずに、のどをふくらませて鳴く。プーとおならに似た声を出すこともある。神社や公園にいる。
[トップにもどる]
コジュケイ
キジ目キジ科
さえずりは早口で始まり徐々にテンポが遅くなっていく。聞きなしは「カーチャンカワイ」あるいは「カーチャンコワイ」。ピョーとアオゲラに似た大声で鳴いたり、コロッ、コロッと続けて鳴くこともある。
[トップにもどる]
ハシブトガラス
カラス科
山や林と市街地に多いが、他のアジア諸国では都市部にはほとんどいない。澄んだ声だが、興奮している時などにガーと濁ることもある。カッカッカッと連続して鳴く時は何かを主張しているらしい。幼鳥はンアーと鼻にかかったような甘い声で鳴く。
[トップにもどる]
トビ
タカ目タカ科
ピーヒョロロローと一年中鳴くが、春にもっともよく聞かれる。
[トップにもどる]
イワツバメ
ツバメ科
3月から渡来し、飛びながら濁った声で鳴き、長く続けるのがさえずり。
[トップにもどる]
アオバト
ハト目ハト科
さえずりは尺八に似た音質でオーア、アーオアオ、オーアなどと鳴く。
[トップにもどる]
オオヨシキリ
ヨシキリ科
さえずりはギョギョシなどと濁った声で始まり、ケケチケケチなど甲高い声も交えて早口で長く続ける。夜も鳴く。俳句などで行々子と呼ばるのは濁った声に由来する。
[トップにもどる]
カワセミ
ブッポウソウ目カワセミ科
チィー、チッピーなど、か細い声で、伸ばすことが多い。連続して鳴くこともある。
[トップにもどる]
ヤマセミ
ブッポウソウ目カワセミ科
ケッケッとかキャラッなど聞こえる、やや固い感じの声で鳴く。
[トップにもどる]
キセキレイ
セキレイ科
主に飛翔中に、ハクセキレイに似た細い声で鳴く。さえずりは高く目立つところで、細い声でチチチチッなど。
[トップにもどる]
セグロセキレイ
セキレイ科
高いが濁りがあって、ビッとかジジッと聞こえる。さえずりは澄んだ声や伸ばす声も交えて複雑に続ける。秋にもさえずる。
[トップにもどる]
アオバズク
フクロウ目フクロウ科
暖かい地域では冬もいる。太い木があると公園や神社でも繁殖し、キジバトより高めの音質で、2音ずつ繰り返す。
[トップにもどる]
【出典】
・Wikipedia
・CD 声でわかる山野の鳥(公益財団法人 日本野鳥の会)